偽装結婚の行く末
「和解できた?」

「モヤモヤするけど、納得はできた」

「ならよかったな」


結婚の報告を済ませて外に止めていた車に乗り込む。


「……ありがと」

「何が?」

「たぶん、昴がいなかったらまたケンカになってたと思うし」

「いいってことよ」


昴は鼻歌混じりにご機嫌に返事をする。
その横顔を見つめていたら、なんだか申し訳ない気持ちになった。


「昴にはいろいろお世話になったけど、昴はあたしといることでメリットはある?
ねえ、役に立ちたいからあたしにして欲しいこと何かない?」


話を聞いた感じ、あたしは幼少期から昴に迷惑をかけていたみたいだし。
問いかけると昴の口がゆっくり上がっていく。
え、悪巧みする時の顔なんだけど。


「だから言ったろ?美優には結婚する前に大仕事が残ってるから」

「この前言ってた三村グループの話?」


「そうそう」と頷く昴は悪い顔をしている。
出た、昴の無理難題。本当にこればっかりは不可能な気がする。


「無茶でしょ、いくらなんでも三村グループには近づけないって」

「大丈夫、綿密に計画練ってるから」


不敵に笑う昴の心の内が全く読めない。
会社が軌道に乗ってるんだから安定を求めたいところだけど、昴の性分には合わないらしい。
まあ、あたしも内心面白いことが好きだから、昴の奇想天外な発想は嫌いじゃないけど。
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