内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
 とにかく恋多き人なので、恋バナがまったくない私が信じられないらしい。

「言ったじゃないですか。私、恋愛とは無縁なんです。もういい加減、私から恋バナを聞くのはあきらめてくださいね」

「はいはい。じゃ、鉄の心の女さん、開店祝いのアレンジメント手伝ってくれる? 同じレストランに三カ所から注文が入ったの」

「あら大変」

 紫Violaの店員は、店長のほかは社員が私ともうひとり。あとは助っ人のバイトさん。

 三人のうちなるべくひとりは店にいるようにローテーションしているが、朝の仕入れから夜の店じまいまでの一日は長い。十人いるアルバイトも早番遅番休みに分かれると、人数に余裕はない。

 早速花を飾る店内の写真を見せてもらう。

「千絵ちゃん、先に決めていいよ」

「うーん。和な感じですね。うんりゅう柳あたりで高さを出しましょうか。アンスリュームの赤を効かせて重心は下にして」

「オッケー。じゃあこっちは桃にするか」

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