内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
「そうだったの? そっかー。私が会いに行ったのも引っ越した後だったからなぁ。あれから父が転職したり引っ越ししたりでバタバタしてて」

「じゃあ、行き違いだったんだね」

「もー、お互い残念。でもこんなふうに会えるなんてね。奇跡だ」

「まさかあんな近くにいたとはなぁ。千絵は、お花屋さんになりたいって言ってたから、夢を叶えたんだ」

「そうだっけ? 覚えてないよ」

 話せば話すほど、離れていたはずの距離が近くなる。

 まるで十五年を取り戻すように、あふれ出る話は尽きない。一時間半くらいの食事だけではもの足りず、その後バーに行った。

 悠おすすめのそのバーはホテルの高層階にあり、窓際のカウンター席に並んで座ると夜景が一望できた。

「うわー。すごい。こんな素敵なお店初めて来たよ。うれしい」

「そうか、よかった」

「悠ったらこういうお店よく来るの?」

「仕事でとか、ほんの時々だよ」

 なるほどね。さすが一流企業のビジネスマンだ。

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