内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
 キラキラ輝く夜景を見たのも久しぶりで、浮足立つ気持ちのまま時間を忘れて話し込んだ。

「千絵、結婚は? 恋人はいないの?」

「いないいない。私は一生結婚なんてしないと思うよ」

「どうして」

「どうしてって……。うーん。恋をしないから?」

 結婚がしたくないわけじゃないけれど、それ以前に相手が見つけられないし。って、この話は、今日で二度目だわ。

「もしかしてお母さんの影響?」

 ほかならぬ悠には隠す必要もないので、私はこくりとうなずいた。

 母が家を出て一年ほど経った頃、離婚届の件で電話をかけてきた母と一度だけ話をしている。

『ママ帰ってきて! お願い、もっといい子になるから』

 受話器を耳に、私は泣きながら頼んだ。

『ごめんね、ちーちゃん。ちーちゃんがどんなにいい子でも、それはできないの。ママね、恋しちゃったの』

『こい?』

『ちーちゃんも大人になったらわかると思うの。ママの気持ち』

 母はそう言って電話を切った。

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