内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
 私は大人になったけれど、母の気持ちはまったくわからない。というよりもわかりたくないと言ったほうが正解か。

 とにかく私は恋をしない。それは決定事項だから。

「今日も店長と結婚するしないの話になってね。いつか同じ考えの人たちとシェアハウスなんかできたらいいなーって答えたんだ」

「シェアハウス? なんか千絵らしいな」

「悠は? えっと結婚はしていないよね?」

 今更のように悠の左手を見た。

 薬指に指輪はない。

「僕も独身だよ。この先も」

 え? この先もってどういう意味なの?

「どうして? 私、悠には幸せな結婚をしてほしいな」

 私は結婚ができなくても仕方がない。

 だけれど、悠には結婚してほしいと思っている。

 温かい心の人と、幸せをはぐくんでほしい。悠は大切な人だから。

「うーん」

「何か心配事でもあるの?」

 もしかしたら、施設にいた過去が障害になっているとか?

「ちょっとね……。相手がいないと解決できないから」

「誰も好きになれないとか?」

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