内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
「断言するぞ。あの子は知ってる。なぜならば、彼女はユミと友だちだからだ」

 ユミ? あのユミか?

 仁は恐ろしいほどの情報通だ。彼がそう言うなら間違いないんだろう。

「あの事件さえなきゃ、お前は生徒会長だったのになぁ」
 懐かしそうに仁が言う。

「生徒会長なんて、僕のようなクズがなったらまずいでしょ」

 あははと仁が笑う。
「別にクズってほどでもないだろ。ビッチだっただけだ」

 青扇に通っていたころ、僕は誘われるまま女の子と寝た。というよりは抱かれていたと言うべきか。

 女性に対して言うビッチという言葉を仁が使った理由は、僕の態度があくまで受動的だったからだろう。

 青扇に慣れるには、それが一番手っ取り早かった。彼女たちはなんでも教えてくれたから。

 ただ僕は礼儀として処女には手を出さなかった。初めての男が愛のない男では申し訳ないと思ったからだが、処女だったユミは納得しなかった。

 泣きながら廊下で叫び、狂ったように抱かない理由を探し、僕に執着していた。

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