内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
『好きなの! 他の女の子は抱くのに、どうして私はダメなの!』

 教師に連れて行かれて、ユミはそのまま転校した。
 そのときまで僕は教師に生徒会長を打診されていたが、ユミの事件後、話は立ち消えになった。

「見た目と中身のギャップでいえば、お前は俺の知り合いの中でダントツだな」

 仁は呆れたように左右に首を振るが、まあそうかもね。
 否定はしない。

「仕方ないさ。外見は自分で選べないからね」

「そりゃそうだ。周りが勝手にイメージを作っているだけだからな」

 清潔感のある優し気な風貌のせいで、昔から無条件で女性には信頼された。

 真面目な好青年に見られるのは僕のせいじゃない。強いていうならば母のDNAゆえだろう。

 母は儚げな風貌をした美しい人だった。子どもの僕の手をひいて歩いていても、声をかけられるほどに。

 美貌ゆえに半ば強引に愛人させられた母は、僕を身籠ると行方をくらましたと聞いている。

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