離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 客は神様だと言っていたのもあり、まさか反撃されるとは思っていなかったのだろう。舌打ちをしはしても露骨に目が泳いでいた。

「ねえ、もうこんなとこいいじゃん。ほかのとこ行こうよ」

 女性もさすがにこれ以上はまずいと感じたのか、ようやく男性を咎める。

「そうだな。こんな場所、誰が泊まるかよ。二度と来ねえからな!」

 男性が負け惜しみを吐き捨てると、智秋はにっこりと心からの笑みを顔に浮かべた。

「次のお休みにはぜひ事前の予約をお忘れなく。お客様に合わせた完璧なサービスを提供いたしますのでね」

 聞いていた私の胸が痛くなるほどの痛烈な皮肉と嫌味だった。

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