離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 よく動くようになったとはいっても自分で好き放題どこかへ行けるほど行動はできないはずだ。

 どうして呑気に眠ったりしたのだろう。

 募る焦りに泣きたくなりながら、家のあちこちを探して回る。

 一階にはいないし、一応確認しに行った二階にもいない。まだはいはいができないから、這いずって庭へ出たというわけでもないだろう。

 誰かが連れて行ったとしか考えられないが、と離れから母屋へ行こうとしたとき、ちょうど向こうから智秋がやってくる。

「もしかしてふーちゃんを独り占めしてた? 次は俺の番――」

「楓花がいないの!」

 思わずすがりついて叫ぶと、智秋の目がみるみるうちに丸く見開かれた。

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