離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「でも大丈夫だよ。そうならないように俺が楓花と咲良を守るから」

 ふたりの空気がいつもと違っている。

 そのせいで、なにがあったのかとすぐに聞けなかった。



 その夜、なかなか眠らずにぐずる楓花をようやく寝かしつけると、まだ智秋が起きていた。

「今日はごめんね。お義母さんにも申し訳ないことをしちゃった」

 ベビーベッドの横にある夫婦のベッドに座り、話しかける。

「気が抜けてたんだと思う。それなりに若女将も形になってきたし、楓花も心配が少なくなってきて。本当にごめんなさい」

「誰も責めてないよ。俺も母さんも咲良を悪いなんて思ってない」

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