離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「ううん、もう遅いし大丈夫。お父さんも京都に来てはしゃいでるんだよ。ここでなくなったのも、そろそろ新しいお守りを持ち歩けって伝えてるのかもしれないしね」

「でも……」

 母がそのお守りをとても大切にしているのを知っている。

 父が初めて母にプレゼントした思い出の品だからだ。

「ちょっと残念だけど、せっかく京都に来たんだしさっちゃんに新しいお守りを買ってもらおうかな? 下鴨神社だっけ、レースのかわいいやつ。お母さん、あれ欲しいな」

 いつもより早口だ。たぶん、母は強がっている。夜遅くにお守り探しをさせるわけにはいかないと私を気遣って。

「……わかった。それじゃ、明日買いに行こう」

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