離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「ついでにかりん水も飲もうね。美人になっちゃおう」

 母が気にしないようにとりあえずは話を合わせて部屋に向かう。

 私が再び外へ出たのは、夜が更けてからだった。

 とっくに寝静まり、誰もいなくなったたちばなの庭園を歩き回って母のお守りを探す。

 どこにいったのだろう。ライトアップされているとはいえ、ぼんやりした光しかないせいで視界が悪い。

 あれは母の大切なお守りだ。新しいものを手に入れても代用品にはならない。

 寿命を半分渡してでも共に生きたかったと言うほど愛している相手との思い出の品を、明日の朝までにはなんとしてでも見つけたかった。

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