離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「若旦那の仕事を嫌だなって思わないんですか? 弟さんみたいに別の仕事をしてみたかったとか」

「思いませんよ。この仕事、好きですから」

「本当に?」

 まるで用意していたかのように返され、うっかり本音が唇から転げ出る。

 やらかした。深夜にお守り探しを手伝ってくれるような人を疑うなんてどうかしている。しかも、彼が仕事を好きだろうと嫌いだろうと私には関係ないのに。

「すみません、今のは」

「どうしてそう感じたのか聞いても?」

 先ほどとは違う、声色は同じでもどこか冷えた感情をはらんだ声。

 背筋がぞくりとするのを感じる。

 たぶん、私が話したかったのはこの橘さんだ。

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