離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 最後の日だからか、目の前の智秋よりもこの一年間ともに過ごしてきた智秋に意識が向く。

 母は私が一年間の契約結婚を引き受けたと言っても驚かなかった。

『それがあんたの選択なら応援してる。いつでも帰る場所はあるんだからね。一年もやってられないと思ったら帰っておいで』

 契約結婚してもいいか、なんて思うような私の母親にふさわしい大らかさだと感動したものだ。

 帰る場所があるから私も今日まで智秋との生活を続けてこられた。

 母には話すべきことがたくさんある。智秋との一年はあっという間だったが、得るものは本当に多かった。

 たとえば――自分を変えても構わないと思えるような恋とか。

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