離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 好きだから特別でいたいし、私だけのものを奪われたくない。

 智秋が離れていくのなら、この気持ちは明かさずに隠し通す。

 いつまでも私を、プロポーズしてもいいと思った少し特別な個として見てほしかった。

「夫婦はやめるけど、またたちばなを予約していい? 今度は違う部屋を見てみたいな」

「いつでもどうぞ。かっこいいって評判の若旦那が直々に接客してくれるよ」

「その若旦那を部屋に入れたら、用意してあるお菓子を勝手に食べられそう。あとは私が淹れたお茶を飲みたいって騒ぐとか」

「クレームを入れないとな。まあ、俺を叱れる人は少ないけど」

 軽快なやり取りも今日で終わりだと思うと切ない。

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