離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 その先を言いかけてやめそうになり、勇気を振り絞って伝える。

「あなたと一緒にいたい」



 智秋はお喋りな方だと思う。

 性格によるものか職業によるものかは知らないが、口数が少ないと感じたことはない。

 そんな彼が今は別人のようになにも話さなかった。

 形のいい唇からこぼれるのは、今までに知らなかった熱っぽい吐息だけ。

「い、たっ……」

 タチバナホテルズのスイートにあるやわらかなベッドの上で小さく声を上げる。

 智秋が私の服を乱し、首筋に噛みついたからだ。

「な、なんで噛むの」

 思わずびっくりして尋ねるも、智秋からの返答はない。

< 48 / 235 >

この作品をシェア

pagetop