離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 愛玩動物をかわいがるように触れていた手に今は余裕がない。

 この人は私の知る橘智秋なのだろうか?

 こんなにも切実に私を求め、肌に痕をつける余裕のない人が?

 彼はいつだって感情を乱さず、完璧に自分を制御していた。

 そんなところも完成されすぎてうさんくさいと思っていたが、その智秋が常に浮かべていた笑みを口もとから消している。

「それ、やだ……」

 甘噛みを繰り返された肌に今度はキスがいくつも降り注ぐ。

 くすぐったさがもどかしくて、唇から与えられる熱が私の中にじわじわと広がっていった。

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