カクレンボ
『ゆきくんまってー』
『はなちゃんみて!ほら桜のじゅうたんがある』
野原を駆け回っているだけでこんなにも沢山楽しい時期があったんだ。3つか4つの頃なんてすべてが大きく見えて、世界がどこまでも続いているようにわたしの興味心も無限大に続くのではないかと錯覚してしまうほどだった。
『気持ちいよ、はなちゃんも座ろうよ』
性別の壁なんて今よりずっとなかったから、このときは手を繋いだりなんてことは日常茶飯事だった。
雪もこのときは空みたいにげんきいっぱいだったのだけれど、年を増やしで行くうちに知識が増え心が成長する。それによって雪は激しい人見知りになってしまった。
昔はどんな人にも話しかけていた。わたしが話していた友達も、次の日にはわたしより仲良くなっていたりしていた。
でも今は、そんなもの見る影もない。
空と一緒にいるときは空の仲いいこと少し話したり、話しかけられるのを待っている。
学校で雪が話すのはわたしたちか、わたしたち共通の友達。
周りの人を拒絶しているかのように雪はことばを発さない。
人に慣れればそんなこと消えてしまうのだろうけど…