カクレンボ
「はーいたっだいま〜!」
部屋に入った瞬間今までの寒気を吹き飛ばすかのようにして暖気が体を覆ってきた。
「おかえり〜」
「遅いけどな」
家を出てから今の今までやく一時間半。家の近くのスーパーに行っていたにしては空くんの言う通り遅いかもしれない。でも一時間半しか経ってなかったんだ。てっきり日暮らしくらいいるつもりになっていた。
二人はこの待ってる間に何をしたかわからないくらい部屋に変化がない。こう見えてもふたりとも整理整頓はできている。どちらかといえば女子陣のほうが苦手だったりする。ただお風呂には入ったようで、服装が変わっている。
「いや〜色々悩みましたからなあ」
「桜ちゃん、同じコーナーに20分くらいいるんだもん」
ホントは違うけど。桜ちゃんの言い分に渡しも合わせておく。
「何をそんなに…」
「ちょっとね」
キッチンから出てきた雪くんに、桜ちゃんは意味深な笑顔を私に見せてきた。
「ね、ねえ」
引きっった笑顔になったけど、なんとか彼女に合わせる。
「お前ら、もうそばできるぞ」
珍しい、空くんが雪くんの料理手伝ってる。
桜ちゃんは雑に荷物を置いてダイニングに行った。温かい部屋には不必要なマフラーと手袋を取って畳んだ。カイロももういらないからポケットから取り出した。
「あんたがそば作ったら不味くなるわよ」
「どういう意味だ!」
「そのままの意味ですが」
「僕と同じ分量だけど…」
「あんたと雪じゃここが違うのよ」
桜ちゃんが腕をパンパンとたたいて空くんに見せつけた。
ほ、ほんとに桜ちゃん空くんに告白するんだよね。そうとは思えないほどの当たりの強さ。逆にリラックスしてていいのかもしれない。なんで平常心でいられるの。私のほうがそわそわしてきた。成功するといいな。
付き合うって、どんな感覚なんだろ。好きな人と、その人とだけの特別な関係を持つ。いわば、結婚の助走。スタートラインにたったとおもったら一瞬でゴールまで行ってしまう。まるで花が咲いて、枯れるみたいに。
「おーい。そばできたぞ」
「はーい」
少し窓の外を見てぼーっとしていたら空くんがテーブルにそばを並べていた。
「ほら見ろ。結構いい出来だろ?」
「ほんとだ。これ全部一人でしたの?」
「雪に手伝ってもらいながらだけどな。コイツすげえぞ。俺料理したことないのにすげえうまくできるんだもん」
空くんは自慢げに語っている。その隣で雪くんは少し恥ずかしそうだけど嬉しそうでもある。
部屋に入った瞬間今までの寒気を吹き飛ばすかのようにして暖気が体を覆ってきた。
「おかえり〜」
「遅いけどな」
家を出てから今の今までやく一時間半。家の近くのスーパーに行っていたにしては空くんの言う通り遅いかもしれない。でも一時間半しか経ってなかったんだ。てっきり日暮らしくらいいるつもりになっていた。
二人はこの待ってる間に何をしたかわからないくらい部屋に変化がない。こう見えてもふたりとも整理整頓はできている。どちらかといえば女子陣のほうが苦手だったりする。ただお風呂には入ったようで、服装が変わっている。
「いや〜色々悩みましたからなあ」
「桜ちゃん、同じコーナーに20分くらいいるんだもん」
ホントは違うけど。桜ちゃんの言い分に渡しも合わせておく。
「何をそんなに…」
「ちょっとね」
キッチンから出てきた雪くんに、桜ちゃんは意味深な笑顔を私に見せてきた。
「ね、ねえ」
引きっった笑顔になったけど、なんとか彼女に合わせる。
「お前ら、もうそばできるぞ」
珍しい、空くんが雪くんの料理手伝ってる。
桜ちゃんは雑に荷物を置いてダイニングに行った。温かい部屋には不必要なマフラーと手袋を取って畳んだ。カイロももういらないからポケットから取り出した。
「あんたがそば作ったら不味くなるわよ」
「どういう意味だ!」
「そのままの意味ですが」
「僕と同じ分量だけど…」
「あんたと雪じゃここが違うのよ」
桜ちゃんが腕をパンパンとたたいて空くんに見せつけた。
ほ、ほんとに桜ちゃん空くんに告白するんだよね。そうとは思えないほどの当たりの強さ。逆にリラックスしてていいのかもしれない。なんで平常心でいられるの。私のほうがそわそわしてきた。成功するといいな。
付き合うって、どんな感覚なんだろ。好きな人と、その人とだけの特別な関係を持つ。いわば、結婚の助走。スタートラインにたったとおもったら一瞬でゴールまで行ってしまう。まるで花が咲いて、枯れるみたいに。
「おーい。そばできたぞ」
「はーい」
少し窓の外を見てぼーっとしていたら空くんがテーブルにそばを並べていた。
「ほら見ろ。結構いい出来だろ?」
「ほんとだ。これ全部一人でしたの?」
「雪に手伝ってもらいながらだけどな。コイツすげえぞ。俺料理したことないのにすげえうまくできるんだもん」
空くんは自慢げに語っている。その隣で雪くんは少し恥ずかしそうだけど嬉しそうでもある。