カクレンボ
だからわたしは調理実習のときもできるだけ洗い物担当をするようにしてきた。
「華はなんで料理しないの?」
包丁の音はそのままに、雪の声だけが耳に止まった。
そういえば、そんなこと考えたこともなかった。
お母さんが夜勤のときは大体家にあるご飯に、スーパーで買ってきたお惣菜をおかずにするという一人暮らしのおじちゃんのような食事をしている。
雪がとても楽しそうに料理するのを見てると、やってみようかなぁとは思うけれど、無知過ぎてどこから学べばいいのやら。
「ん〜なんでだろ?」
質問に質問で返してしまった。問者よりも首を傾げたわたしをみて雪の口角が少し上がった。
「逆に、雪はなんで料理するの?」
今の今まで、ゆきが料理をする理由。料理が好きな理由を聞いてこなかった。
花火の花弁くらい雪の料理を見てきた。
昔から味も見た目もすごく良くて、打ち上がった花火みたいに手の届かない。今でもそうだ。
「好き、だから。かな」
途切れた場所で何故かドキリとしたけれど、そんなわけがない。
思ったより普通の理由で思わず笑いそうになってしまった。他に理由がないというより、それしか理由がないのかもしれない。毎日のように自炊して、お弁当も自分で作ってくるくらいだ。よっぽど好きなのだろう。そこまで熱中してできることがあるというのはわたしにとって羨ましいことだ。
「華はなんで料理しないの?」
包丁の音はそのままに、雪の声だけが耳に止まった。
そういえば、そんなこと考えたこともなかった。
お母さんが夜勤のときは大体家にあるご飯に、スーパーで買ってきたお惣菜をおかずにするという一人暮らしのおじちゃんのような食事をしている。
雪がとても楽しそうに料理するのを見てると、やってみようかなぁとは思うけれど、無知過ぎてどこから学べばいいのやら。
「ん〜なんでだろ?」
質問に質問で返してしまった。問者よりも首を傾げたわたしをみて雪の口角が少し上がった。
「逆に、雪はなんで料理するの?」
今の今まで、ゆきが料理をする理由。料理が好きな理由を聞いてこなかった。
花火の花弁くらい雪の料理を見てきた。
昔から味も見た目もすごく良くて、打ち上がった花火みたいに手の届かない。今でもそうだ。
「好き、だから。かな」
途切れた場所で何故かドキリとしたけれど、そんなわけがない。
思ったより普通の理由で思わず笑いそうになってしまった。他に理由がないというより、それしか理由がないのかもしれない。毎日のように自炊して、お弁当も自分で作ってくるくらいだ。よっぽど好きなのだろう。そこまで熱中してできることがあるというのはわたしにとって羨ましいことだ。