カクレンボ
「どういう意味?」
「んん。なんでもない」
ほんの一瞬だった。直ぐに笑顔に戻ってくれたおかげで、違和感は消えた。
神社の前は、たくさんの人で埋め尽くされていた。一歩外れればはぐれてしまいそう。
「離れんなよ」
空くんの声も虚ろだ。
鳥居をくぐることさえも大変だ。真ん中は神様の通り道だから端っこを通らなければならないという決まりがあるというのを授業で聞いたことがある。
やっぱり、4人で歩くときの順番は変わらない。先頭から空くんと桜ちゃん。そして私と雪くん。隣にいるのは毎回のように雪くん。
幼い頃は、お父さんお母さんによく連れてきてもらっていた。何回か雪くん一家とも一緒に来たことがある。目線が変わったからか価値観の変化か、昔とは大分印象も変わったように思える。家から少し歩けば神が宿る場所に来れるというのは中々利便性が高い。
砂利道の参道を歩くと、本堂が見えてきて、境内ではお守りやおみくじが売られていた。4人並んで参拝を済ませる。参拝の礼法を忘れていたので両サイドにいた雪くんと桜ちゃんを横目でみて真似していた。
願を神様に伝えたあと、お守り、おみくじを買い、境内をあとにした。
「あれ?みんな…」
ふと考え事をしていたら、人の波に飲み込まれてしまって、3人とはぐれてしまったようだ。
あたりは人ばかり。自分より身長高い人ばかりで探そうにも探せない。上手く身動きも取れない。どうしよう。とりあえず神社から出て待つ?でも神社にいた場合どうしよう。どっちもどっち…。人は私を避けて進む。岩にでもなった気分だ。
「華!」
呼んだ…?私今呼ばれた?遠くない。私には鮮明に聞こえた。
「え…?」
突然手を取られた。そしてそのまま私を何処かへ連れて行こうとしてる。人混みのせいでこの人も、さっき呼んだ人の声もよく分からなかった。
「だから言ったろ。よそみすんなって」
この声…。空くん?あってる。顔をあげると見慣れた髪、容姿が見えて安心した。
「ご、ごめん」
「雪たちが向こうで待ってるから、さっさと行くぞ」
空くんの手に引かれる。かき分ける人混みは私達を気にすることはなく参道を歩いている。手を引かれたまま少し歩いていると次第に人は少なくなっていき、砂利の音もしなくなっていった。
てかなんで空くんが来たんだろう。いつもなら雪くんか桜ちゃんだったのに。そういえば…。
さっき空くん告白がどうのこうのって言ってたけど。あれけっきょく何だったんだろう。聞くのなら、誰もいないところのほうがいいかも。
「やっと空いたな」
「空くん、さっき…」
「華」
言葉が詰まる。それと同時に空くんが喋ったので私のターンは終わりのようだ。
「どうしたの?」
「あけましておめでとう」
「んん。なんでもない」
ほんの一瞬だった。直ぐに笑顔に戻ってくれたおかげで、違和感は消えた。
神社の前は、たくさんの人で埋め尽くされていた。一歩外れればはぐれてしまいそう。
「離れんなよ」
空くんの声も虚ろだ。
鳥居をくぐることさえも大変だ。真ん中は神様の通り道だから端っこを通らなければならないという決まりがあるというのを授業で聞いたことがある。
やっぱり、4人で歩くときの順番は変わらない。先頭から空くんと桜ちゃん。そして私と雪くん。隣にいるのは毎回のように雪くん。
幼い頃は、お父さんお母さんによく連れてきてもらっていた。何回か雪くん一家とも一緒に来たことがある。目線が変わったからか価値観の変化か、昔とは大分印象も変わったように思える。家から少し歩けば神が宿る場所に来れるというのは中々利便性が高い。
砂利道の参道を歩くと、本堂が見えてきて、境内ではお守りやおみくじが売られていた。4人並んで参拝を済ませる。参拝の礼法を忘れていたので両サイドにいた雪くんと桜ちゃんを横目でみて真似していた。
願を神様に伝えたあと、お守り、おみくじを買い、境内をあとにした。
「あれ?みんな…」
ふと考え事をしていたら、人の波に飲み込まれてしまって、3人とはぐれてしまったようだ。
あたりは人ばかり。自分より身長高い人ばかりで探そうにも探せない。上手く身動きも取れない。どうしよう。とりあえず神社から出て待つ?でも神社にいた場合どうしよう。どっちもどっち…。人は私を避けて進む。岩にでもなった気分だ。
「華!」
呼んだ…?私今呼ばれた?遠くない。私には鮮明に聞こえた。
「え…?」
突然手を取られた。そしてそのまま私を何処かへ連れて行こうとしてる。人混みのせいでこの人も、さっき呼んだ人の声もよく分からなかった。
「だから言ったろ。よそみすんなって」
この声…。空くん?あってる。顔をあげると見慣れた髪、容姿が見えて安心した。
「ご、ごめん」
「雪たちが向こうで待ってるから、さっさと行くぞ」
空くんの手に引かれる。かき分ける人混みは私達を気にすることはなく参道を歩いている。手を引かれたまま少し歩いていると次第に人は少なくなっていき、砂利の音もしなくなっていった。
てかなんで空くんが来たんだろう。いつもなら雪くんか桜ちゃんだったのに。そういえば…。
さっき空くん告白がどうのこうのって言ってたけど。あれけっきょく何だったんだろう。聞くのなら、誰もいないところのほうがいいかも。
「やっと空いたな」
「空くん、さっき…」
「華」
言葉が詰まる。それと同時に空くんが喋ったので私のターンは終わりのようだ。
「どうしたの?」
「あけましておめでとう」