カクレンボ
「久しぶりに食べたい。雪の料理」
「朝ごはん食べてきてないの?」
私の問いかけに楓ちゃんはコクリと頷いた。
「食べる時間なかった」
「じゃあせっかくだから私も食べたい」
「わかった。じゃあその間に身支度済ませておいで」
私は返事をしながらリビングを後にした。そして一度私の部屋に戻る。パジャマのままだったから誰かに見られないかと心配したけど、大丈夫だった。
身支度を終えて雪くんの部屋へ戻ると、雪くんは何やら生地を作っていた。
「何作ってるの?」
「ホットケーキだって」
楓ちゃんがカウンターから雪くんの料理姿を見ている。
「華好きだったもんね。ホットケーキ」
「え?覚えてたの?」
「あんなに美味しそうに食べてたんだもん。そりゃ覚えるよ」
そんな昔のこと…。まだ覚えててくれたんだ。妙に温まる心。とりあえず無視してさっきと同じ場所に座る。
「華、作りたそう」
私今そんな顔してた?
「作りたい?」
「え、じゃあせっかくなら」
今座ったばっかりの席を直ぐに立つ。
「あの…私は何をすれば」
「さて、何をするでしょう」
あれ、私今質問したはずなんだけど。
ホットケーキって…何するんだろう。生地があるから、それを焼くだけじゃないの?
「えっと…」
「正解は、とりあえずこの生地を完成させないと。だからそれを手伝って」
雪くんからボウルと泡だて器を受け取った。過去の記憶を頼りに雪くんの見様見真似をしてみる。
混ぜてみると、生地は意外と重かった。この程度で限界のくる自分の体力に嫌気が差す。
雪くん、こんなに重いのを作ってたなんてすごい。
「華もう疲れてる」
雪くんに感嘆する私。楓ちゃんが幼い子供のようにカウンターから目を出した。
「重いでしょ」
「うん」
「最初だけだよ。材料入れてくうちにだんだん混ざりやすくなる。ほら次入れるね」
雪くんは牛乳を少し入れた。そしてまた混ぜる。するとまた牛乳を入れた。それが何回か続いた。
「なんで分けて入れるの?」
「生地がダマにならないように。いっぺんに入れちゃうと後から大変なんだよ」
へえ、知らなかった。今までただ作ってるだけに見えてたけど奥が深そうだ。
「そしてこれは僕が考えた隠し味」
そう言って雪くんが冷蔵庫から出したのは3個入りプッチンプリン。
「プリン?なんで?」
「なんでか知らないけどこれ入れたらコクが出るし焼き上がりがふわふわになるんだ」
「朝ごはん食べてきてないの?」
私の問いかけに楓ちゃんはコクリと頷いた。
「食べる時間なかった」
「じゃあせっかくだから私も食べたい」
「わかった。じゃあその間に身支度済ませておいで」
私は返事をしながらリビングを後にした。そして一度私の部屋に戻る。パジャマのままだったから誰かに見られないかと心配したけど、大丈夫だった。
身支度を終えて雪くんの部屋へ戻ると、雪くんは何やら生地を作っていた。
「何作ってるの?」
「ホットケーキだって」
楓ちゃんがカウンターから雪くんの料理姿を見ている。
「華好きだったもんね。ホットケーキ」
「え?覚えてたの?」
「あんなに美味しそうに食べてたんだもん。そりゃ覚えるよ」
そんな昔のこと…。まだ覚えててくれたんだ。妙に温まる心。とりあえず無視してさっきと同じ場所に座る。
「華、作りたそう」
私今そんな顔してた?
「作りたい?」
「え、じゃあせっかくなら」
今座ったばっかりの席を直ぐに立つ。
「あの…私は何をすれば」
「さて、何をするでしょう」
あれ、私今質問したはずなんだけど。
ホットケーキって…何するんだろう。生地があるから、それを焼くだけじゃないの?
「えっと…」
「正解は、とりあえずこの生地を完成させないと。だからそれを手伝って」
雪くんからボウルと泡だて器を受け取った。過去の記憶を頼りに雪くんの見様見真似をしてみる。
混ぜてみると、生地は意外と重かった。この程度で限界のくる自分の体力に嫌気が差す。
雪くん、こんなに重いのを作ってたなんてすごい。
「華もう疲れてる」
雪くんに感嘆する私。楓ちゃんが幼い子供のようにカウンターから目を出した。
「重いでしょ」
「うん」
「最初だけだよ。材料入れてくうちにだんだん混ざりやすくなる。ほら次入れるね」
雪くんは牛乳を少し入れた。そしてまた混ぜる。するとまた牛乳を入れた。それが何回か続いた。
「なんで分けて入れるの?」
「生地がダマにならないように。いっぺんに入れちゃうと後から大変なんだよ」
へえ、知らなかった。今までただ作ってるだけに見えてたけど奥が深そうだ。
「そしてこれは僕が考えた隠し味」
そう言って雪くんが冷蔵庫から出したのは3個入りプッチンプリン。
「プリン?なんで?」
「なんでか知らないけどこれ入れたらコクが出るし焼き上がりがふわふわになるんだ」