カクレンボ
毎年プレゼント交換をしたり、ゆきの作った料理やケーキを食べたりしている。
「空の家じゃだめなの?」
わたしは空に聞いてみた。
なにかいけない理由でもあるのかな。
必然的に毎年空の家で当たり前のようにしていたから、今年もそうするつもりだった。
「だめなことはないんだけど、たまには子供だけでしたいなって思って」
「でもうちの家お母さんいるよ?」
「じゃあ雪の家か華の家だな」
わたしの家か。
あまり人を入れたことがないからちょっと怖い。
「華の家でもいいんじゃない?」
桜がクッキーを食べながら言う。
女の子なんだからもう少し上品にしてほしいところだ。
今更桜がどうであれ、ここにいる男の子たちはもう何も気にしないだろう。だってわたしたちは、幼なじみだから。
「俺行ってみたいな〜」
「そっか、空は行ったことないもんね」
そういえばそうだ。わたしの家に入ったことがあるのは雪と桜だけだ。でも3人であつまったことはなくて、桜は桜、雪は雪というふうに個別だ。雪は家族ぐるみで集まったことはあったけど。子どもたちだけで複数人っていうのは初めて。
わたしと雪の家で違うことと言えば、部屋の構造が全部逆なだけ。わたし的にはどっちでも変わらないんじゃないかとおもうけど。