カクレンボ

「わたしの家でいいよ」

「マジ?やったぜ!」

 まあ、この3人ならいっか。桜や空の家はみんなで集まったことがあるけど、私の家だけは全員揃ったことはない。

「なんか久しぶり行く気がする」

 空と雪はほんとに夏と冬みたいだ。いつも元気があって、テンションが高い空。一言で言うなら熱い人。雪がみんなに冷たいというわけではないのだけれど、空に比べるとやはり熱くはない。ずっと同じテンション。

 桜は頻繁に家に来てるけれど、雪は桜ほど頻繁に家に来ない。一番最近来たのが少なくとも11月(先月)だ。
 
 初めてわたしの家に来れるからだろうか、空はとてもテンションが高い。

「じゃあパーティの日、昼過ぎくらいに来てね」

 昔はお母さんに聞かないと家に連れてきてはいけなかったけれど、高校生になってある程度の自由ができたから、もうお母さんに何も言わなくても家に人を入れることができる。

 中学生くらいのときに、憧れていたことが、今となっては当たり前にできるというのが嬉しいし、何よりも楽しい。 

「よし、そろそろカレーが食べたくなる時間だ」 

 クリスマスの予定が決まったところで空が手を叩いて言った。

 絶賛クッキーを食べていた最中だが時間も時間だ。早く食べなければふたりの帰りが遅くなってしまう。

「そうだね。ちょっと待ってて」
< 8 / 69 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop