カクレンボ
そう言って立ち上がった雪はキッチンへと歩いていった。
少ししたら、カレーの匂いとカレーが煮込まれる音が聞こえてきた。
「もう1年生終わるんだぜ?!早すぎだろ」
豪快に頬杖をついた空が不満そうに言う。
「まだ3か月あるでしょ。それにまだ年明けてないし」
あと、3か月。あと3ヶ月で一年生が終わる。たまたま4人が同じクラスになっていたけれど、来年はどうかわからない。クラス替えでバラバラになるかもしれないと思うと少し寂しくなった。
「雪いいなー。華と部屋が隣で。うちなんてこんな元気の塊みたいなやつと近所なのよ?」
桜がキッチンにいる雪を見ながらそういった。
「悪かったな!」
桜も言いすぎていると思ったけど、確かに空は元気の塊みたいだ。よくそんな的確な例えが思いつくものだ。
わたしと雪はマンションの部屋が隣同士だけど、桜と空は家が隣同士。いわゆるお隣さんというやつだ。
元々わたしと雪は同じ幼稚園で、桜と空とは小学校で知り合った。わたしたちから話し始めたわけではなく、名字に四季が入っていると気づいた親同士が仲良くなって、