首取り様1
一瞬の間を置いて、2人は同時に激しい悲鳴を上げて走り出していた。


「あ、明宏! 戦わないと!」


「む、無理だよあんな化け物と!」


だって手が刃物だぞ?


あんなの反則だって!


全力で逃げているにも関わらず、振り向くとすぐ真後ろに化け物がいる。


化け物は明宏たちの前に出ることだって簡単にできるのに、まるで2人をおちょくって遊んでいるかのように見えた。


「このままじゃ疲れて死んじゃう!!」


美樹は悲鳴を上げるようにそう言うと、足に急ブレーキをかけた。


突然立ち止まった美樹に驚き、明宏も足を止める。


黒い化け物は肩を震わせて笑っているように見えた。


そして、お遊びはここまでと言わんばかりに刃物になった手を振り上げる。


「美樹!!」


叫ぶと同時に明宏は前に出ていた。
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