首取り様1
☆☆☆

しばらくすると民家が途切れて前方に森が見えてきた。


「嘘だろ……」


慎也は森の前で立ち止まり、絶望的な声を出す。


もしも佳奈の首が森の中にあったりしたら、探し出すのにどれだけ時間がかかるかわからない。


けれど、明宏の首は林の中で見つけたのだ。


この森を無視して進むことはどうしてもできなかった。


スマホの明かりを頼りにひとり森の方へと足を進める。


大きな山じゃないから遭難することはないにしても、朝までに首を見つけられるかどうかは怪しい。


それでも……!


一歩森の入口に足を踏み入れる。


この時慎也は首が見つからないという最悪の事態も想定していた。


首を見つけることができずに朝になったときどうなるのか。


検討もつかないことだった。


しかし、一歩足を踏み出した瞬間スマホの明かりが何かを捉えたのだ。
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