首取り様4
「その頃にはすでに長も、首取りの先祖もなんらかの形で死んでいた。残されていたのは首取りの女房や子供たちだけだ。なにもできなかった」


当時のことはよくわからない。


柏木だってその頃生きてはいなかったから、これも伝え聞いてきた話しなのだろう。


「失礼ですが、あなたたちは地蔵の呪いにかからなかったんですか?」


明宏が横から声をかけた。


大輔はまだなにか言いたそうな表情を浮かべていたが、口をつぐむ。


「いや、俺たちの時代にもあった」


柏木の言葉に佳奈は目を見開いた。


「だけど俺たちは全員首を取られることなく、次のイケニエの番になった。そのイケニエたちも無事に終わらせることができた」


そんなことってあるだろうか?


黒い化け物や、他に助けがない夜のことを思い出す。


そんなに簡単に終わることじゃないはずだ。


その思いを察したのか、柏木は言葉を続けた。
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