悪役令嬢の幸せ愛人計画〜王太子様に(偽)溺愛されています〜
オロオロとするユリアーネ。段々と覚醒しだしたらしいリーヴェスは、目を擦りながら緩慢な動作で立ち上がった。
「……ん?ああ、問題ないよ。ソファーに移動したのは俺の問題だから」
「?それって、どういう……ちょ?!え?!」
首を傾げたユリアーネに近付いたリーヴェスが、掬い上げるように抱き上げる。ユリアーネは驚きの声を上げたが、「ほらほら、静かに」とリーヴェスに宥められる。
そのまま数歩先のベッドにユリアーネを乗せ、自身もベッドに乗り上げる。ユリアーネに覆いかぶさったリーヴェスは、落ちてくる自分の髪の毛を掻き上げ、ペロリと舌なめずりをした。
いきなり押し倒された格好になったユリアーネは、リーヴェスの眼前に両手のひらを向けて止めた。
「待ってください!私は釣り餌では?!」
「そうだよ?」
ニヤリ、と今までで一番悪い笑みをリーヴェスは浮かべた。
ユリアーネの額と頬に軽いキスを落とし、ユリアーネの夜着の襟元に手をかける。
「へ?!え?!ちょ、ちょっと……?!」
襟元を緩めながら首筋をペロリと舐めて、少し強めに吸い付いた。チクリ、と小さな痛みを感じた後、リーヴェスが離れる。そして、先程の箇所を人差し指の腹で撫でた。
「中々綺麗についたね」
「綺麗についた?」
「これがあると俺達が上手くやっているって事だよ」
復唱したユリアーネに、リーヴェスは目を細めて微笑んだ。そしてベッドから降りる。近くに掛けていたらしい上着を羽織って、赤い顔をしたままベッドに座って固まるユリアーネに声をかけた。
「俺は自室に戻るね。朝から用事はないから、君はゆっくり起き出してくるといいよ」
最後に軽く手を上げて、リーヴェスは部屋から去っていく。
(え、なんだったのかしら……?)
首筋を押さえたまま、ユリアーネはそろそろと鏡台へと向かう。そして、そっと鏡を見る。首筋には、綺麗に赤い花が付いていた。
(これって……、コンスタンツェ様がよく付けていたものじゃない?!)
余談だが、当時、虫刺されだと信じ切っていたのは、ユリアーネを含む未婚の令嬢達だけだった。
「……ん?ああ、問題ないよ。ソファーに移動したのは俺の問題だから」
「?それって、どういう……ちょ?!え?!」
首を傾げたユリアーネに近付いたリーヴェスが、掬い上げるように抱き上げる。ユリアーネは驚きの声を上げたが、「ほらほら、静かに」とリーヴェスに宥められる。
そのまま数歩先のベッドにユリアーネを乗せ、自身もベッドに乗り上げる。ユリアーネに覆いかぶさったリーヴェスは、落ちてくる自分の髪の毛を掻き上げ、ペロリと舌なめずりをした。
いきなり押し倒された格好になったユリアーネは、リーヴェスの眼前に両手のひらを向けて止めた。
「待ってください!私は釣り餌では?!」
「そうだよ?」
ニヤリ、と今までで一番悪い笑みをリーヴェスは浮かべた。
ユリアーネの額と頬に軽いキスを落とし、ユリアーネの夜着の襟元に手をかける。
「へ?!え?!ちょ、ちょっと……?!」
襟元を緩めながら首筋をペロリと舐めて、少し強めに吸い付いた。チクリ、と小さな痛みを感じた後、リーヴェスが離れる。そして、先程の箇所を人差し指の腹で撫でた。
「中々綺麗についたね」
「綺麗についた?」
「これがあると俺達が上手くやっているって事だよ」
復唱したユリアーネに、リーヴェスは目を細めて微笑んだ。そしてベッドから降りる。近くに掛けていたらしい上着を羽織って、赤い顔をしたままベッドに座って固まるユリアーネに声をかけた。
「俺は自室に戻るね。朝から用事はないから、君はゆっくり起き出してくるといいよ」
最後に軽く手を上げて、リーヴェスは部屋から去っていく。
(え、なんだったのかしら……?)
首筋を押さえたまま、ユリアーネはそろそろと鏡台へと向かう。そして、そっと鏡を見る。首筋には、綺麗に赤い花が付いていた。
(これって……、コンスタンツェ様がよく付けていたものじゃない?!)
余談だが、当時、虫刺されだと信じ切っていたのは、ユリアーネを含む未婚の令嬢達だけだった。