悪役令嬢の幸せ愛人計画〜王太子様に(偽)溺愛されています〜
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お茶なんていつぶりだろうか、と思いつつ、ユリアーネは自身で淹れた紅茶に口をつける。
ゆったりと与えられた自室のソファーでくつろいでいたユリアーネは、扉のノック音で茶器をテーブルに戻した。
「どうぞ」
「失礼致します」
2人の侍女が連れ立って入ってくる。片方は物静かな雰囲気のユリアーネよりも年上の女性。癖のない黒髪を1つにまとめている。
もう片方は活発そうな少女。ユリアーネと同じくらいか、ほんの少しだけ年上くらいの年。くせ毛なのか、1つ纏めていてもふわふわと赤毛が飛び出ている。
見た目は正反対のような2人だった。
「リーヴェス王太子殿下より、ユリア様専属侍女を拝命致しました。イルゼと申します。そして、こちらが」
「パウラと申します!宜しくお願い致します!」
イルゼの言葉を引き継いだパウラが、勢い良く頭を下げる。
「ユリアです。これからよろしくね」
ユリアーネは、酒場で働いていた時に使っていた偽名を名乗った。自分の名前に近いので、反応がしやすいのだ。
簡単な挨拶を終えた所で、イルゼは気まずそうな表情になる。
「早速で申し訳ございませんが、ユリア様にお客様がいらっしゃっております」
「お客様?!」
ユリアーネは思わず声を上げた。リーヴェスからも何も聞いていない。
「ええ。お客様です。ですが、先触れのお手紙等がなく……完全にいきなりなのです」
「誰かしら……、リーヴェス様とか?」
「いえ……」
首を傾げたユリアーネにイルゼが答えようとした時、ユリアーネの部屋の扉が派手な音をたてて、大きく開かれた。
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お茶なんていつぶりだろうか、と思いつつ、ユリアーネは自身で淹れた紅茶に口をつける。
ゆったりと与えられた自室のソファーでくつろいでいたユリアーネは、扉のノック音で茶器をテーブルに戻した。
「どうぞ」
「失礼致します」
2人の侍女が連れ立って入ってくる。片方は物静かな雰囲気のユリアーネよりも年上の女性。癖のない黒髪を1つにまとめている。
もう片方は活発そうな少女。ユリアーネと同じくらいか、ほんの少しだけ年上くらいの年。くせ毛なのか、1つ纏めていてもふわふわと赤毛が飛び出ている。
見た目は正反対のような2人だった。
「リーヴェス王太子殿下より、ユリア様専属侍女を拝命致しました。イルゼと申します。そして、こちらが」
「パウラと申します!宜しくお願い致します!」
イルゼの言葉を引き継いだパウラが、勢い良く頭を下げる。
「ユリアです。これからよろしくね」
ユリアーネは、酒場で働いていた時に使っていた偽名を名乗った。自分の名前に近いので、反応がしやすいのだ。
簡単な挨拶を終えた所で、イルゼは気まずそうな表情になる。
「早速で申し訳ございませんが、ユリア様にお客様がいらっしゃっております」
「お客様?!」
ユリアーネは思わず声を上げた。リーヴェスからも何も聞いていない。
「ええ。お客様です。ですが、先触れのお手紙等がなく……完全にいきなりなのです」
「誰かしら……、リーヴェス様とか?」
「いえ……」
首を傾げたユリアーネにイルゼが答えようとした時、ユリアーネの部屋の扉が派手な音をたてて、大きく開かれた。