悪役令嬢の幸せ愛人計画〜王太子様に(偽)溺愛されています〜
「良かった。まあ、コルネリウスは我が弟ながら奔放な所があってね」

(……奔放?)
 物は言いようである。
 ユリアーネから離れたリーヴェスは、コルネリウスが出ていった窓を少し確かめてから施錠した。

「窓から変なのも入って来るから気を付けてね」
「変……」

(王族なのに不法侵入者みたいな扱い……、いや、不法侵入者だけれど……)
 微妙な面持ちになりながら、ユリアーネは頷いた。

「それで?コルネリウスに何を言われたんだい?」

 ユリアーネにソファーを勧めながら、リーヴェスはテーブルに乗っていたワインボトルを手に取る。大人しくリーヴェスに勧められるがままにソファーに座ったユリアーネは、真剣に答えた。

「リーヴェス様が貧相な体の女が好みだと思われてらっしゃいました」
「……それ以外には?」

 ユリアーネの隣に座ったリーヴェスは、慣れた手つきでコルクを開けた。用意されていたワイングラスに注いでいく。

「えっと……、リーヴェス様に頼んでも見せてくれないだろうから、思い立って来てしまったとお話していました。あとは自己紹介ですね」
「思っていたより中身のない会話していたんだね……」
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