一途な淫魔の執着愛〜俺はお前しか一生抱かない〜
「聞こえなかったからもう一回」
「え……んんっ……」


 優しく唇が重なった。ちゅっと音を立てて離れていく。


「だ、だから、私も好き……だって言ってるの」
「もう一回」


 嬉しいのか、洸夜の瞳はうるうると涙ぐんでいる。そんなに嬉しかったのかな? でもそうだ、自分だって洸夜に好きと言われると心臓がドクドク嬉しさを鼓動の速さで表現する。名前を呼ばれるとトクンと大きく心臓が波打つ。
 もしかして……そう思いそっと洸夜の左胸、ちょうど心臓のある位置に手を伸ばし触れるとバクバクと勢の良い振動が手のひらに伝わってきた。あぁ、同じようにドキドキしてこうして心臓を盛大に鳴らしているんだ。同じだ。人間だろうが、淫魔だろうが同じようにこうして心を動かしている。


「好き。……洸夜が好きよ」


 恥かしいけれどしっかりと洸夜の瞳を見つめ返す。多分今ものすごく顔が真っ赤かもしれない、恥ずかしさで変な顔をしているかもしれない。でもいつも洸夜が真っ直ぐに感情をむき出しにして見つめてくれるから、日和もしっかりと洸夜を見つめた。好き、という気持ちを込めて。


「……まじで、それは反則だろ」


 真っ赤に染まり。困ったような顔をした洸夜は隠すように自分の顔を片手で覆った。


「日和のせいだからな?」
(私のせい? 顔が赤くなったから?)


 その瞬間フワッと甘い香りが鼻を勢いよく抜けた。溶かした砂糖のような、そんな匂い。
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