一途な淫魔の執着愛〜俺はお前しか一生抱かない〜
「あーあ、でちったじゃん。今まで隠してたのに」
「へ? はぁぁぁぁ!?」


 匂いとともにブワッと現れた大きな黒い羽。見間違いでなければ洸夜の背中から出ているように見える。えーっと、これは現実? それとも夢にまた洸夜が現れたの? 頬をつねってみるが痛い。ヒリヒリした。


「あ、あんたソレッ……」


 大きな黒い羽を指差す。指の先の少しだけ羽先が触れた。くすぐったい。


「羽をしまっておくのが我慢出来ないくらい俺を高ぶらせてたんだから……日和のこと抱き潰しちまうかもなぁ」


 洸夜はクスリと満足気に口角を上げた。


「なななな、何言ってるのよ! ソレを、羽をしまいなさい!」


 淫魔だということは理解したつもりだったがまさかこんなにも漆黒という言葉がぴったりな羽が出てくるなんて、正直驚きを隠せない。


「やっぱり怖いか? 淫魔な俺の事……」


 あんなに満足げな顔をしていたのに急に自信がなくなったようにしょぼんと肩を落とした。不安なのだろうか、羽がでたことによって日和が離れていってしまうとでも考えてしまったのだろうか。何を洸夜が思ったのかは分からないが羽があろうが、無かろうが、洸夜に変わりない。ただ少し驚いただけだ。
 日和は起き上がり、両手を広げて洸夜を抱きしめた。ふわふわな羽が柔らかくて気持ちいい。トントントンと子供をあやすように背中を優しく叩いた。

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