イジワルな君の一途で不器用な恋心
その瞬間、眉間がピクッと動き、シワを寄せたかと思えば。
「ははっ」と乾いた笑みを漏らして。
「私は我慢した、ギリギリのところで踏みとどまった、とでも言いたいんですか?」
「違うよ! また置いて帰ったらいけないと思って……!」
責めたいわけじゃない。
先輩との約束を破ってまで友達を選んだ理由が知りたいだけなのに。
「じゃあ、もし立場が逆だったらどうするんですか?」
「えっ、そりゃ……断るよ」
「ですよね。でも私は無理です。だって家どころか最寄り駅さえも知らないんですから。ダメと言われてても行くしかないですよね?」
痛いところを突かれて押し黙る。
ミワワちゃんの言う通り。私なら頼まれても断れるけど、ミワワちゃんはできない。
忘れた物がカーディガンやタオルであれば、休み明けに届けても充分間に合う。
だけど、宿題や提出期限のある緊急性の高いものは、一刻も早く届けなければいけない。
「……みんなして美和を悪者にしたいんですね」