イジワルな君の一途で不器用な恋心

「いやっ、そんなこと」

「もういいです。先輩の気持ちはよくわかりましたから。貴重な時間使わせてすみませんでした」

「っ、ちょっと待っ」

「放してくださいっっ!」



立ち去ろうとする彼女の腕を掴むも、振り払われてしまった。



「私がどんな気持ちで引き受けたか知らないくせに」



限界に達した瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。







「──はい、どうぞ」

「ありがとうございます」



翌日、水曜日の午後4時25分。

静寂に包まれたカフェのカウンター席で、春岡さんからコーヒーを受け取った。



「すみません、定休日なのに」

「いいのいいの。私がごちそうしたかっただけたから」



柔らかい笑顔でそう言う彼女に「ありがとうございます」と再び頭を下げ、マグカップに口をつける。


横断歩道で信号待ちしていたら、突然後ろから声をかけられて。

これから買い物に行く予定だったらしいのだけど、私の顔色が悪いのを心配し、特別に中に入れさせてもらったのだ。
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