イケメンを好きになってはイケません⁈
「つまり、わたしにやってほしいってこと?」

 彼はわたしの表情を伺うように、少し首を傾けた。
 飼い主の帰りを今か今かと待っている子犬みたいな表情で。

 これが愛され王子の必殺技。

 ずるい、その顔。
 そんなふうに頼られるとなんでもやってあげたくなっちゃう。

「ずうずうしいっすよね、やっぱ。自分で何とかします」

 ……断らないといけないのはわかっている。
でも、たしかにあのケガじゃ、キーは打つの大変だろうし。

 もう、仕方ない。

「原稿はあるの?」とわたしがそう答えると、森下くんはぱっと顔を輝かせた。

「えっ、やってくれるんすか。やった!」

「その手でキーボード打つの大変そうだし。データ渡してくれたら」
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