【短編】色褪せない夢


お世辞にも偏差値が高いとは言えず、世間一般的にはいわゆる不良と呼ばれる子たちが通う共学の学校。

だけど理事長は優しくて、私が望む学習の機会を提供してくれた。


高校の授業自体は成り立っておらず、
高校1年4月中旬にして、クラスの中でも私くらいしかまじめに授業を聞いていなかった。

慣れているのか、呆れなのか、真相はわからないけれど、どの先生方もたった1人の私のために授業してくれていたように思う。

腐っても教師。
先生方はみんなちゃんと勉強ができる人たちの集まりで、授業自体はわかりやすかった。

私に合わせて授業するもんだから、
心を入れ替えたクラスメイトたちが授業に参加しようにもついていけず、6月の中旬には授業のレベルは彼らにのレベルに戻されてしまったが。

でも先生方はみんな、私のために課題プリントを作ってくれていたおかげで、自分自身の学習のレベルは保たれていた。
すごくありがたいことだ。

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