俺の世界には、君さえいればいい。
「櫻井くんともまっったく話さないしさ、向こうだって今まで以上に死んだ魚の目してるし」
今まで以上って…。
ゆっこから見た櫻井くんって、いつもどう映ってるんだろう…。
「かなの、いつも泣きそうなの自分で分かってる?それ見てみぬふりして生活するあたしの気持ちよ!!」
「…ご、めん…」
「謝らなくていーの!!もっと頼れって言ってんのよあたしは…っ!!」
ゆっこの気持ちは痛いくらいに嬉しい。
嬉しいけど、これしかなかった。
これが最善の選択だった。
わかってゆっこ、私はね、櫻井くんの隣に居ちゃだめな存在だったんだよ。
「あたし、丹羽に綺麗サッパリ振られたわ!」
「え……、」
「それがねぇ、やっぱりチョコすら受け取ってもらえなくって!それで…本当は今もすごく落ち込んでる」
「ど、どうして教えてくれなかったの…?」
ゆっこ、今までどおり笑ってたから全然わからなかった…。
気づいてあげられなかった。
私は私のことにいっぱいいっぱいで、こんな近くに落ち込んでる友達がいたのに…。
「それがあたしの気持ち」
「…あ、」
「そう、分かったでしょ?」