跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
促されるまま足を動かす姿は、まるで連行されているようだ。千秋さんは会議に使う一室に岸本さんと私を入れると、ソファーに座るよう手で指示した。
最後に入室した千秋さんが、私の横に腰を下ろしたことに驚いて隣を見る。視界の端に岸本さんの表情がほんのわずかに険しくなったのを捉えてしまい、少し気まずい。
「さてと」
威圧感たっぷりな千秋さんに、なにを言われるのかと緊張で心拍数がどんどん上がっていく。
私が作ったあのコーナーへの批評だろうか? そんなの、わざわざ岸本さんの前でしてくれなくてもいいのに。
「社長、やはりあのコーナーは加藤製陶の品位を落としかねません。せっかく高級路線を残しているのに、あれでは台無しになってしまいます」
千秋さんが話し出すのを遮るように、岸本さんが前のめりになりながら口を開いた。そのきつい口調もだが、語られる内容にどんどん心が抉られていく。
苦しくて、膝に置いていた手をぎゅっと握って必死に耐えた。
「岸本、お前はなにか勘違いしてないか?」
「え?」
千秋さんの発言に驚いて再び隣を見ると、彼は眉間にしわを寄せて厳しい表情で彼女を見据えていた。
対する岸本さんからは先ほどまでの勢いがなくなり、瞳が戸惑いで揺れている。
「岸本も、さっき愛佳が対応した客を見てたんだろ? それを目にしたうえで今の発言をしたのなら、加藤へお前を派遣したのは俺の人選ミスだったな」
「人選、ミス……ですか?」
「ああ、違うか。そもそもさっきの発言がなくても、かもな。俺もまだまだだな」
千秋さんはわざとらしく、自身を嘲るような笑いをこぼした。
最後に入室した千秋さんが、私の横に腰を下ろしたことに驚いて隣を見る。視界の端に岸本さんの表情がほんのわずかに険しくなったのを捉えてしまい、少し気まずい。
「さてと」
威圧感たっぷりな千秋さんに、なにを言われるのかと緊張で心拍数がどんどん上がっていく。
私が作ったあのコーナーへの批評だろうか? そんなの、わざわざ岸本さんの前でしてくれなくてもいいのに。
「社長、やはりあのコーナーは加藤製陶の品位を落としかねません。せっかく高級路線を残しているのに、あれでは台無しになってしまいます」
千秋さんが話し出すのを遮るように、岸本さんが前のめりになりながら口を開いた。そのきつい口調もだが、語られる内容にどんどん心が抉られていく。
苦しくて、膝に置いていた手をぎゅっと握って必死に耐えた。
「岸本、お前はなにか勘違いしてないか?」
「え?」
千秋さんの発言に驚いて再び隣を見ると、彼は眉間にしわを寄せて厳しい表情で彼女を見据えていた。
対する岸本さんからは先ほどまでの勢いがなくなり、瞳が戸惑いで揺れている。
「岸本も、さっき愛佳が対応した客を見てたんだろ? それを目にしたうえで今の発言をしたのなら、加藤へお前を派遣したのは俺の人選ミスだったな」
「人選、ミス……ですか?」
「ああ、違うか。そもそもさっきの発言がなくても、かもな。俺もまだまだだな」
千秋さんはわざとらしく、自身を嘲るような笑いをこぼした。