跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
「なっ、ど、どういうことでしょうか。私は社長のお役に立てるように、全力で加藤の再建に取り組んできたと自負しています。それに、社長がまだまだだなんて……」
立ち上がらんばかりにそう言った岸本さんだったが、千秋さんに手で制されて渋々座りなおす。
「岸本は、俺が命じた職務内容をきちんとわかっているか?」
「もちろんです。及川と加藤の連絡役を担い、再建計画を速やかに進めるために出向しています」
千秋さん直々の命令に誇りを持っているのが、彼女の口調から伝わってくる。
「だが、それを遂行するだけの力はなかったようだな」
「見込み違いだったか」とつぶやく千秋さんに、岸本さんが縋りつくように言う。
「そ、そんな。私はまかされた仕事に全力を尽くしてきました。実際、結果も出ています」
「数字のうえではな」
含みを持たせた言い回しに、岸本さんが怪訝な表情を浮かべた。
「俺が指示したのは、加藤の社員を守ったうえでの再建だ。お前はその意味を理解しているか?」
「もちろんです。現にここまで、経営状況のひっ迫を理由にした退職者はひとりも出していません」
彼女が自信をもって言い切っている通り、正社員だけでなくパート社員まで雇用は守られている。父も千秋さんも、そこには最初からこだわってきた。
立ち上がらんばかりにそう言った岸本さんだったが、千秋さんに手で制されて渋々座りなおす。
「岸本は、俺が命じた職務内容をきちんとわかっているか?」
「もちろんです。及川と加藤の連絡役を担い、再建計画を速やかに進めるために出向しています」
千秋さん直々の命令に誇りを持っているのが、彼女の口調から伝わってくる。
「だが、それを遂行するだけの力はなかったようだな」
「見込み違いだったか」とつぶやく千秋さんに、岸本さんが縋りつくように言う。
「そ、そんな。私はまかされた仕事に全力を尽くしてきました。実際、結果も出ています」
「数字のうえではな」
含みを持たせた言い回しに、岸本さんが怪訝な表情を浮かべた。
「俺が指示したのは、加藤の社員を守ったうえでの再建だ。お前はその意味を理解しているか?」
「もちろんです。現にここまで、経営状況のひっ迫を理由にした退職者はひとりも出していません」
彼女が自信をもって言い切っている通り、正社員だけでなくパート社員まで雇用は守られている。父も千秋さんも、そこには最初からこだわってきた。