跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
「千秋さんに私がふさわしくないなんて、そんなのわかってるんです。ただ、あなたにはいっさい関係ありません。いくら私が気に入らないからって、そんな私情で発言されるような未熟な方に、うちの再建は託せません」
生意気な言い方だとわかっている。でもここだけは譲れないと、肩で息をしながら捲し立てた。
「いや、俺の嫁になるのはお前しかいないだろ」
「千秋さんは黙っていて下さ……って、え?」
思わず隣を二度見した。
「だから、俺の嫁は愛佳以外に考えられないって言ってるんだ」
「なっ」
それは今ここで言うことでしょうか? と問いたい。
決死の思いで啖呵を切ったというのに、今ので勢いが挫かれてしまった。
戸惑う私をよそに、千秋さんはとくに表情を変えないまま、淡々と岸本さんに告げる。
「岸本の加藤製陶への出向は、今をもって解任する」
それに対して岸本さんは、ひと言も発しない。
「それから、なにか勘違いしているようだが、俺が愛佳との結婚を決めたのはなにもばあさんの昔話があったからじゃない。どうせそれも、立ち聞きでもして知ったんだろうがな」
彼女の表情がさっと曇った。千秋さんや菊乃さんから聞いたように仄めかしていたのは、どうやら嘘だったようだ。
「俺が愛佳を気に入ったから結婚したんだ。最近、岸本が愛佳になにかしていると感じていたが、来てみて正解だったな」
恐怖すら感じるような不敵な笑みを見せた千秋さんに、責められているわけでもないのに私まで怖気つきそうになる。
今になって社長自ら加藤へ足を運ぶなんて、一体どんな大きな案件かと疑問に感じていたが、もしかして本当の理由はそれだったというのか。
生意気な言い方だとわかっている。でもここだけは譲れないと、肩で息をしながら捲し立てた。
「いや、俺の嫁になるのはお前しかいないだろ」
「千秋さんは黙っていて下さ……って、え?」
思わず隣を二度見した。
「だから、俺の嫁は愛佳以外に考えられないって言ってるんだ」
「なっ」
それは今ここで言うことでしょうか? と問いたい。
決死の思いで啖呵を切ったというのに、今ので勢いが挫かれてしまった。
戸惑う私をよそに、千秋さんはとくに表情を変えないまま、淡々と岸本さんに告げる。
「岸本の加藤製陶への出向は、今をもって解任する」
それに対して岸本さんは、ひと言も発しない。
「それから、なにか勘違いしているようだが、俺が愛佳との結婚を決めたのはなにもばあさんの昔話があったからじゃない。どうせそれも、立ち聞きでもして知ったんだろうがな」
彼女の表情がさっと曇った。千秋さんや菊乃さんから聞いたように仄めかしていたのは、どうやら嘘だったようだ。
「俺が愛佳を気に入ったから結婚したんだ。最近、岸本が愛佳になにかしていると感じていたが、来てみて正解だったな」
恐怖すら感じるような不敵な笑みを見せた千秋さんに、責められているわけでもないのに私まで怖気つきそうになる。
今になって社長自ら加藤へ足を運ぶなんて、一体どんな大きな案件かと疑問に感じていたが、もしかして本当の理由はそれだったというのか。