跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
その週末、千秋さんとふたりで菊乃さんの元を訪れた。
敷地内に車を止めると、待ちきれなかったという様子で菊乃さんが玄関を出てくる。

「いらっしゃい」

はやる気持ちを押さえられていない彼女の表情に、やはり訪問の理由を察していたのだろうと確信する。
それに、車を降りてわずか数メートル歩くだけだというのに、千秋さんががっちりと私の腰を支えてくるから、それだけで予想できるというもの。

「愛佳、足元に気をつけろよ」

これだけホールドされていれば、万が一にも転びはしないだろう。

「それで、なんの報告かしら?」

ソファーに腰を下ろして早々に、菊乃さんが問いかけてくる。その瞳は期待でキラキラと輝いており、前のめりになる彼女を「落ち着いてください」と千秋さんが諫めた。

「愛佳が妊娠したんだ」

「まあ!」

菊乃さんが、堪えきれなったというように立ち上がる。

「なんて嬉しい報告なんでしょう。千秋、でかしたわ」

「でかしたって……」

苦笑する千秋さんには目もくれず、隣に来た菊乃さんは私の手を取って両手で包み込んだ。

「愛佳ちゃん。本当に、本当におめでとう」

「ありがとうございます」

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