跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
仕事は大丈夫なのかと聞くと、『少しの私的な時間を作るだけで、仕事が回らなくなるような無能に見えるのか?』と呆れられ、さらに『俺が数時間不在にしただけで行き詰るような仕事はしていない』ときっぱりと断言される。
その通りなのだろうが、少なからず志藤さんにしわ寄せがいっているのだろうなあと、こっそり同情した。

加藤家にとっては初孫、及川家にとっては初ひ孫だと、妊娠をみんなが喜んでくれている。
海外で暮らす千秋さんの両親も、時折調子はどうかと連絡をくれたりプレゼントを贈ってくれたりする。まだ直接お会いできていないが、頻繁にやりとりをしているおかげですっかり打ち解け合えた。子どもが生まれる頃には帰国してくれるそうで、今から楽しみにしている。

母はマンションに遊びに来ては作り置きのおかずを用意してくれるし、菊乃さんもなんだかんだとベビー用品を購入しては届けに来てくれる。
父も、愛佳の調子はどうだと毎日のようにしつこく母に尋ねているらしい。

この状況に、してもらうばかりでお返しがなにもできないとはもう思わない。
今は周りに甘えさせてもらって、元気な赤ちゃんを生む。それこそが私のできる最大の恩返しだと千秋さんが教えてくれたから、怖がらずに前を向いていられる。

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