跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
不敵な笑みを浮かべた千秋さんに、後ずさりそうになる。

「妊娠は順調だし、安定期に入っているし……」

色気たっぷりの流し目に、途端に胸がドキドキしはじめる。

「医者のOKも出たしな」

なんのことでしょうかと、とぼけられるような雰囲気ではない。医者の話も、一緒に聞いていたのだからわかっている。

まさか妻が同席するその場で、夜の夫婦生活を再開してよいかと尋ねるとは思っておらず、その場では恥ずかしくてうつむくしかなかった。私の旦那様は、相変わらず規格外すぎる。

そのまま丁寧に抱き上げられて、彼の首に腕を回す。それによって、これから千秋さんがしようとしていることに同意したと伝わるだろう。

「前よりも、ゆっくり濃密にかわいがってやろうか」

最後に千秋さんに抱かれたのは、妊娠が判明するかなり前だ。
これまで濃厚なキスは何度かされてきたが、それ以上の雰囲気にはならなかった。

千秋さんもあっさりしたもので、『じゃあ寝ようか』と甘い時間はバッサリと打ち切ってくる。それはもちろん私が妊娠しているからだろうけど、もしかしてもう女として見てもらえないのかと密かに落ち込んでもいた。

私をそっとベッド座らせると、自身も隣に座って軽く口づけてくる。視線を合わせたままコツンと互いの額を合わせられ、その近すぎる距離に鼓動が激しくなった。

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