跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
不意に手の拘束を解いた千秋さんが、少々雑な手つきで自身の服を脱ぎはじめた。
広い肩幅に、引き締まった腹部。その均整の取れた裸身があまりにも綺麗で、無意識のうちに腕を伸ばしていた。
そっと触れた肌は、女の私とは違ってずいぶんと固い。

「なんだ、積極的だな」

楽しそうな千秋さんの声にハッとして手を引っ込めようとしたが、それより早く掴まれてそのまま肌に触れさせてくる。

「愛佳なら、いくらでも触ってかまわない」

特別扱いするような言葉に、目を見開いた。彼の瞳はますます熱を増し、まっすぐに私を射抜いてくる。

そのまま私に覆いかぶさると、軽く口づけながらゆっくりと愛撫を再開した。
 
「愛佳」

肌を掠める吐息すら心地よさを感じて、体が震える。私の反応を確かめながら、千秋さんの手はどんどん下へ這っていく。

「や、やだ……あっ……」

キスで宥めながら、誰にも触れさせたことのない部分に指を滑らせる。たまらず彼の頭を押し返したが、びくともしない。

友人の話や本から知識は持っていたが、実際にされるのはわけが違う。とにかく恥ずかしくて両足をギュッと閉じようとしたが、それを千秋さんが許すはずがない。深い口づけで私の気を逸らせながら、素早く足の間に体を滑りこませた。

抗いがたい快感に流されて、腕に力が入らなくなる。思考がぐずぐずに溶かされていくようだ。

次第に大きくなる快感の波がこみ上げてくる。自分がどうなってしまうのかわからない恐怖に、無心で千秋さんにしがみついた。

「ああぁぁ……」

一気に駆け上った快感はついに弾け、体が大きく痙攣する。そのまま四肢を投げ出して呆然とした。

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