双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
「蒼斗様が柚希様をどれだけ想っているか、旦那様とのやり取りを聞いてすごく伝わってきました。蒼斗様と柚希様には、心穏やかに過ごしてほしい。なのでこのままなにもないといいのですが」
「そんな風に思ってくださって嬉しいです」
早く普通の生活がしたい。この状況が落ち着いたら、蒼斗さんのご両親にもご挨拶に行こうとふたりで話している。
このままなにもないことを願いたいが、これは嵐の前の静けさのように思えて胸がざわつく。
あれからパタリと嫌がらせが止んだのは、私のことを見張っているから? チャンスがあれば虎視眈々とその機会を狙って……
「柚希さん、危ない!」
一緒に着いてきてくれていた護衛の西谷さんの声が聞こえたと思ったら、そのまま彼が私の手を勢いよく引いた。
次の瞬間、耳に届いた『ガシャンッ!』というなにかが砕ける衝撃音が耳に届いた。
バランスを崩した私はアスファルトに倒れこみ、その私の上に覆いかぶさるように西谷さんの身体がある。
「柚希様、ケガはないですか?」
「大丈夫です。それよりなにが起きたか……」
「柚希様、ちょっとそこのビルの影でお待ちになっていてください。すぐに戻りますから!」
早口にそう言って西谷さんが立ち上がり、目の前にそびえたつビルの非常階段の方へと向かっていく。
その瞬間、視界に広がった光景に言葉を失った。
「そんな風に思ってくださって嬉しいです」
早く普通の生活がしたい。この状況が落ち着いたら、蒼斗さんのご両親にもご挨拶に行こうとふたりで話している。
このままなにもないことを願いたいが、これは嵐の前の静けさのように思えて胸がざわつく。
あれからパタリと嫌がらせが止んだのは、私のことを見張っているから? チャンスがあれば虎視眈々とその機会を狙って……
「柚希さん、危ない!」
一緒に着いてきてくれていた護衛の西谷さんの声が聞こえたと思ったら、そのまま彼が私の手を勢いよく引いた。
次の瞬間、耳に届いた『ガシャンッ!』というなにかが砕ける衝撃音が耳に届いた。
バランスを崩した私はアスファルトに倒れこみ、その私の上に覆いかぶさるように西谷さんの身体がある。
「柚希様、ケガはないですか?」
「大丈夫です。それよりなにが起きたか……」
「柚希様、ちょっとそこのビルの影でお待ちになっていてください。すぐに戻りますから!」
早口にそう言って西谷さんが立ち上がり、目の前にそびえたつビルの非常階段の方へと向かっていく。
その瞬間、視界に広がった光景に言葉を失った。