絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 蛇足だが、俺の言葉を聞き付けた隊員らは、一様にポカンとした顔をして固まった。そして『騎士団長は愛猫に入れあげすぎて、ついに頭がおかしくなった』と確信を持たれ、副リーダーらによってあれよあれよと救護用の馬車に押し込まれそうになっていたところを、ギリギリでフォローしてくれたのはユーグだった。
 慌ててやって来たユーグは、声をひそめて俺と二、三言葉を交わすとすぐに『ワーグナー筆頭大臣が人質にしていた少女は、解放後にやって来た連れの者と一緒に帰った』、代わりに湧いてでたルーナについても『後を追ってきたルーナを、たまたま見つけた』と代弁した。『ルーナと夫婦になった』という台詞は『騎士団長なりのジョークだった』と押し通してくれたのだ
 ユーグのフォローがなかったら、俺は行き過ぎたネコ好きによる心の病と認定されたまま、今頃救護用馬車に押し込められていただろう。
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