絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
《ふみぃ(ユーグさん、ごめんね。さっき本人も言ってたけど、レリウスさまって無骨というか、ちょっと空気が読めないところがあって。でもね、ユーグさんにいっぱいいっぱい助けられてて、いつもすっごく感謝してるのはほんとなの)》
 当のルーナは、俺のことなどお構いなしで、ユーグに支えられながら両方の前足をパフッと合わせ、潤んだ瞳で一心にユーグに訴えていた。
「……ルーナ?」
 ユーグは驚きと戸惑いが混じったような顔でルーナを見つめていた。
《ふみゅぅ(だからユーグさん、どうかレリウスさまを見捨てないであげて? わたしからも、お願いします)》
 コテンと小首をかしげながら、ルーナが口にした《ふみゅぅ》の破壊力たるやすさまじい。まさしく、かわいさの凶器――!
 ……とはいえ、そのかわいい《ふみゅぅ》はなぜ俺に向けらたものではないのか? 激しい嫉妬の炎が燃え上がるが、今回はグッと胸の内に押し留める。
「はぁあ~。仕方ありませんね、今回の征伐の功労者であるルーナに免じて離隊は踏みとどまることにしましょう」
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