絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
《ふみゃーっ(うわぁ、やったーっ!)》
 わたしはレリウスさまの足にバフンッと跳びつくと、スリスリ、スンスンしながら喜びを爆発させた。
 そのままレリウスさまの足に引っ付いて、大きな手がペリペリと包みを解いてゆくのを、ジーッとジーッと見つめる。見ているだけで、お口の中はもうじゅるじゅる。
 わわわっ。
 口の端からタランとヨダレが垂れてきて、慌てて拭おうとするが、一瞬早くしがみ付いていたレリウスさまのズボンに吸われてしまう。
 ……やばっ、ヨダレでレリウスさまのズボンをシミにしちゃった……あれ?
 よくよく見ると、レリウスさまのズボンにはシミだけでなく、わたしが爪を引っ掛けてつくったと思しきほつれがいっぱいできていた。膝下を中心に生地がボロボロになってしまったズボンを見つめ、わたしはピキンと固まった。
 ありゃ……。
「ルーナ、どうかしたのか? ペロルが剥けたが、食わんのか?」
《ふみゃみゃっ(なんでもないの、食べるよ! 食べますとも~っ!)》
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