絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
「うむ。実は晩飯の後、俺が目を離した隙にまたどこかに消えてしまった。屋敷の中を隈なく探したがいなかったから、また屋外でひと晩過ごしたようだ。一昨日同様、日の出と共にひょっこり帰ってきたがな」
「……それはそれは。ルーナがどこぞで凍えていやしないかと心配し、宿の時のように毛布片手にひと晩中探し回るあなたの様子が目に浮かぶようです」
「いや。それが昨夜は、ルーナの寝床に用意しておいたブランケットがなくなっていてな。おかげで、俺は夜中探し回らずに済んだ。お前が『外でないと用を足さないネコもいる』と言っていたが、外でないと寝ないネコもいるんだな」
 しみじみと語る俺を、ユーグは怪訝そうに見返した。
「ちょっと待ってください。そのブランケットというのは、ルーナが自分で持ち出したのですか?」
「ああ、翌朝ルーナはちゃんと自分でブランケットを銜えて戻って来たぞ。どこぞでブランケットに包まって夜を明かしたのだろう。それにしても、寒空の下にブランケットを持って出るとはよく考えたものだ。……ん? どうかしたか?」
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